今永昇太が7試合連続QS 初回3失点から立て直し/ブレーブス4-1カブス(9/9)主要指標紹介

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日本時間9月9日、アトランタのトゥルーイスト・パークで行われたカブス対ブレーブスは、4−1でブレーブスの勝利でした。カブス先発の今永昇太投手は立ち上がりに3点を失いながらも、そこから6回80球、被安打5、与四球0、奪三振4、自責3ときっちり試合を立て直し、7試合連続のクオリティ・スタート(QS)をマークしています。一方、ブレーブスはブライス・エルダー投手6回1/3を1失点と好投。打線はオジー・アルビーズの先制ソロ、マット・オルソンの終盤ダメ押し弾などで効率よく加点しました。

試合の流れ(スコアボードと重要場面)

  • 最終スコア:カブス1|ブレーブス4

    スコアの内訳は1回裏にブレーブスが3点先制、7回表にカブスが1点を返し、8回裏にブレーブスが1点追加という展開です。

  • 1回裏:ブレーブスの二死からの猛攻

    二死走者なしから、アルビーズの中堅435フィート先制ソロハ・ソン・キムの中前打ドレイク・ボールドウィンの中越え適時二塁打ロナルド・アクーニャJr.の左前適時打で一気に3点。このイニング以降、今永は見違えるようなピッチングを見せます。

  • 7回表:カブスが1点を返す

    ニコ・ホーナーの二塁打からチャンスを作り、マット・ショーの犠牲フライで1点。ここでブレーブスはエルダーから救援陣へスイッチし、ピアース・ジョンソン、タイラー・キンリー、ライセル・イグレシアスが無失点リレーで締めました。

  • 8回裏:マット・オルソンのソロ

    オルソンが中堅へ417フィートのソロ本塁打を放ち、試合を決定づける4点目。ブレーブスはスニッカー監督の通算800勝の節目を勝利で飾っています。

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今日の今永昇太:数字で見る“修正力”

投球ライン:6回、80球(ストライク55)、被安打5、失点3(自責3)、四球0、奪三振4、被本塁打1(アルビーズ)。QS達成(7試合連続)

  • 1球目ストライク率14/23=60.9%

  • 総ストライク率(Pitches–Strikes)55/80=68.8%

  • CSW%(見逃し+空振り)(6+15)/80=26.3%

  • 1イニング当たり球数80÷6=13.3球

  • GB/FB4/10

    ※ESPNボックススコアの詳細欄(First-pitch strikes、PC–ST、Called/Swinging/Foul/In-play、GB/FB)より算出しています。

ポイント:初回を除けば完璧に近い内容で、“無四球×ストライク先行”の今永らしさが鮮明でした。終盤までテンポ良く13.3球/回と省エネにまとめ、CSW26%台で空振り・見逃しの両面からストライクを積み上げています。

イニング別ハイライト(今永)

  • 1回裏(3失点)

    プロファー三ゴロ、オルソン三振で2死無走者→アルビーズが中堅へ先制ソロ(435ft)→キム中前→ボールドウィン中越え適時二塁打アクーニャ左前適時打で3失点。結果的にこの回のみ失点でした。

  • 2回裏(無失点)

    オズナ中飛、アルバレスJr.中飛、プロファー三振で三者凡退。

  • 3回裏(無失点)

    先頭オルソンに右前打を許すも、アルビーズ三振→キム左直→ボールドウィン左飛で切り抜け。以降は**“パーフェクト・ペース”**に入ります。

  • 4回裏(無失点)

    アクーニャ空振り三振、ハリスII遊直、オズナ遊ゴロの三者凡退。

  • 5回裏(無失点)

    アルバレスJr.遊直、プロファー中飛、オルソン二ゴロの三者凡退。

  • 6回裏(無失点)

    アルビーズ一邪飛→キム中飛→ボールドウィン右飛で三者凡退。ここで12者連続アウトを完成させます。

トータルでは最終17人中16人をアウト(唯一の出塁は3回先頭のオルソン単打)に封じる見事な立て直しでした。

被打球の傾向——5安打はすべて外野方向

被安打の内訳は、中堅ソロ(アルビーズ)/中前(キム)/中越え二塁打(ボールドウィン)/左前(アクーニャ)/右前(オルソン)5本すべてが外野へのヒットで、内野間を抜ける当たりはありません。初回の4本で3点を失い、それ以外では1本のみに抑えています。

立ち直りのきっかけ——“ビデオ判定のファウル”とリズム回復

現地レポートでは、初回の攻防で一時は本塁打と見える打球がビデオ判定でファウルに変更となった場面があり、これがこれ以上の失点拡大を防ぎ、以降の安定につながったとされています。実際、2回以降は連続アウトを重ねる圧巻の内容でした。

カブス打線——決定機は6回と7回

  • 6回表:二死からマイケル・ブッシュの右前安打、イアン・ハップ四球、鈴木誠也の内野安打で満塁に迫るも、ピート・クロウ=アームストロングが一ゴロで無得点。

  • 7回表ホーナー二塁打→(投手交代)→ショーの中犠飛で1点を返すも、反撃はここまで。以降はキンリー、イグレシアスの盤石リレーに封じられました。

直近で主軸の一人カイル・タッカーが戦列を離れている影響もあり、“あと一本”が出ない試合が続いています。本試合も5安打1得点と生産性が伸び悩みました。

ブレーブス投手陣の出来——エルダーの“対カブス適性”が顕在化

先発のブライス・エルダー6.1回5安打1失点、6奪三振1四球。シンカー系でゴロと凡打を量産し、カブスの長所である中長打の芽を摘みました。救援陣はジョンソン→キンリー→イグレシアスの無失点リレー。特にイグレシアス25セーブ目を記録しています。スニッカー監督はこの勝利で通算800勝に到達しました。

技術的レビュー

  1. ゾーン先行と無四球

    1球目ストライク率60.9%総ストライク率68.8%四球0という**“ストライク先行の理想形”で、投球テンポを加速。初回直後から打者の早打ちも誘発**し、球数を抑えながらイニングを消化しました。

  2. CSW26.3%の実効性

    見逃しと空振りの合計(CSW)は26%台。ハードコンタクトを完全に消すほどではないにせよ、**“空振りと見逃しでストライクを取り続ける”**彼の強みが数字に表れています。

  3. 空間配分と打球方向

    今日許した5安打はすべて外野方向。内野にゴロが殺到するタイプの支配ではなく、高低の使い分けでフライを打たせる今永の“MLB仕様”の投球が出ています(GB/FB=4/10)。

  4. “四者連続のカベ”を越えた修正力

    初回のHR→単打→二塁打→単打という4者連続の被打から、12者連続アウトに切り替えた精神的タフさは特筆です。**「最後の17人中16人アウト」**という事実がその裏付けになります。

  5. 今季の配球骨格(参照)

    今季はフォーシーム×スプリットを軸に、見せ球のスイーパー/スライダー、ごく一部のカーブ/シンカーという構成がベース。平均球速帯は4シーム90mph台前半、スプリット80mph台前半で、垂直方向の角度変化(VAA)やキャリーを活かして高めを使い、低めで仕留めるのが基本形です。

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ターニングポイント(3つ)

  1. 初回二死走者なしからの3連打

    ここで一気に試合の趨勢が傾きました。とはいえ、これ以外の5イニングは完全に封鎖。この“ワンイニングの乱れ”をどう減らすかが次の課題です。

  2. 6回表の満塁未遂と7回の1点止まり

    カブスは6回に詰め寄る絶好機を逸し、7回は犠飛の1点のみ。ここで長打が一本出ていれば、エルダーを崩し切れた可能性は十分にありました。

  3. 8回裏・オルソンの一発

    1点差で踏みとどまっていた試合を、オルソンの一振りが再び遠ざけました。強打者の一発の“価値”を痛感させられる場面です。

総括:内容は“勝ち投手級”、次は立ち上がりの精度だけ

今日の今永は、初回の3失点こそ痛恨でしたが、以降は6回まで被安打1・無四球と申し分のない内容です。7試合連続QSは先発ローテの“土台”としてこの上ない安定感であり、ポストシーズンを見据えるチームにとって大きな安心材料です。打線は決定打不足が続いており、得点の“作り方”(先頭出塁→進塁打→外野フライ、走塁の圧、カウント有利での一振り)をチーム全体で再確認したいところです。**ブレーブスは投打が噛み合い、スニッカー監督の節目(通算800勝)**を白星で飾りました。

次戦の見どころ

カブスは序盤先取点の徹底が鍵です。今永のように**“ストライク先行×四球ゼロ”**で試合を作る先発の価値は、打線が早い回から援護して初めて最大化します。走塁と小技で相手バッテリーに圧をかけ、一本の長打で仕留めるプランを取り戻したいところです。

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