万博工事未払い3億円以上!?~背景と課題を徹底解説~

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大阪・関西万博では海外パビリオンの内装工事で、末端の下請け業者に数億円規模の未払いが発生し、大きな社会問題となっています。

本記事では多重下請構造が招いたリスクや実態、被害業者の状況、関係者の対応経緯、そして今後必要な制度的改善策をまとめました。

この問題は建設業界全体の信頼にも関わるため、具体的な課題と提言を示します。

未払い問題の概要

大阪・関西万博の海外パビリオン工事は、発注元→元請→二次下請→三次下請…と続く多重下請構造で進められています。

中間業者が差し引くマージンや管理費が重なることで、最終的に末端事業者への支払い資金が枯渇しやすい仕組みです。

現在、内装工事を担った三次下請けの業者らが合計で約3億4,000万円の未払いを訴え、裁判や行政への要請を行っています。

多重下請構造が招くリスク

・マージン重複
元請→一次→二次…の各段階で各社が手数料を上乗せするため、最終的な原資が減少します。

・情報の非対称性
末端企業は発注元の資金状況や契約条件を把握しづらく、支払いトラブルが顕在化しにくい構造です。

・倒産連鎖
中間業者が資金繰りに失敗すると、その先の企業が連鎖的に支払い不能に陥りやすくなります。

未払いの実態

GL イベンツ ジャパンの役割
GL イベンツ ジャパン株式会社は、フランス本社GL eventsグループの日本法人として複数パビリオンの内装工事を元請けで受注しています。

当初は各国パビリオンの設計・施工から運営までを一括で請け負っていましたが、社内調整や資金管理の混乱で末端への支払いが滞りました。

パビリオン別未払い額

パビリオン名

未払い額の目安

マルタ館

約1億4,000万円

ルーマニア館

数千万円規模

セルビア館

数千万円規模

ドイツ館

数千万円規模

その他合計

約3億4,000万円超

末端業者は東京地裁や大阪府に対して支払い督促や救済要請を続けています。

被害業者の実情

三次下請けC社の社長は資金不足で車を売却し、自宅売却まで検討する深刻な状況です。

同社の19歳の子どもが大学進学を諦めかけており、生活費や学費の捻出に苦しんでいます。

その他にも複数の内装業者が倒産や経営悪化を訴え、SNS上で「業界の構造的問題」として共感が広がっています。

関係者の対応経緯

・2025年3月末
下請業者がSNSで資金繰り難を告発し、初めて深刻さが浮上しました。

・4月下旬
大阪府が公式サイトで未払い問題の一部を公表し、協議開始を発表。

・5月13日
メディアが内装業者への取材を報じ、具体的な未払い金額や倒産危機が明らかに。

・6月以降
業者会見や再要請が行われるものの、GL イベンツや大阪府からは具体的な支払いスケジュールが示されていません。

制度的な課題と提言

・契約・支払い状況の可視化
各段階の契約書・支払い状況をオンラインで共有し、未払いリスクを早期に察知できる仕組みが必要です。

・支払い保証制度の拡充
現行の「万博取引保証」を末端企業まで適用し、実際の支払い担保を強化することが求められます。

・説明責任の徹底
万博協会や大阪府は定期的に未払い状況を公表し、具体的な改善計画と進捗を明示する必要があります。

おわりに

本件は多重下請構造によるリスクが露呈した事例であり、建設業界全体の信頼回復には制度改革と透明性の確保が欠かせません。

国や自治体、主催者、元請企業が連携し、末端まで資金が確実に行き渡る仕組みを構築することが急務となっています。

今後の動向を注視しつつ、関係者の責任ある対応を期待します。

万博工事未払い被害者の会(アカウント移行)
https://x.com/expo_mibarai

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