ドイツAfD候補者が7人死亡！？　極右政党AfDとは？事件の詳細・背景・海外と日本の反応まとめ

今回の事件の詳細

2025年9月14日に予定されているドイツ・ノルトライン＝ヴェストファーレン州（NRW）の地方選挙を目前に、右派政党「ドイツのための選択肢（AfD）」の候補者が相次いで死亡する異例の事態が発生しました。

報道によれば、数週間の間に正式候補4人と予備候補2人、合計6人が亡くなっています。一部報道ではさらに1人を加え、最大7人とするものもあります。

亡くなった候補者の死因は、自然死や病死、自殺とされ、警察は現時点で事件性を否定しています。

ただし、選挙直前というタイミングや人数の多さから、SNSや一部メディアでは陰謀論や政治的背景を疑う声も広がっています。

この死亡事案により、投票用紙の再印刷や郵便投票の一部無効化が必要となり、選挙運営にも影響が出ています。

死亡事例の時系列

• 8月中旬：正式候補（66歳）病死
• 8月下旬：正式候補（71歳）自殺
• 8月下旬：予備候補（年齢非公表）病死
• 8月末：正式候補（59歳）急病死
• 9月初旬：正式候補（59歳）病死
• 9月初旬：予備候補（年齢非公表）病死

候補者の多くは高齢で、健康上のリスクを抱えていた可能性も指摘されていますが、短期間に集中したことが注目を集めています。

AfD（ドイツのための選択肢／Alternative für Deutschland）とは

基本情報

• 設立：2013年2月、元CDU（キリスト教民主同盟）メンバーや保守派経済学者らが中心
• 当初の主張：ユーロ圏の財政支援（特にギリシャ救済）への反対
• 現在の立場：右派ポピュリズム〜極右、民族主義色が強い
• 共同党首（2025年）：ティノ・クルパラ、アリス・ワイデル
• 党員数：約34,000人（2023年時点）

主な政策・主張

• 移民・難民の大幅制限（特にイスラム圏からの受け入れに否定的）
• イスラム教の影響制限（ブルカ禁止、モスク建設制限など）
• EU統合への懐疑（場合によっては離脱も視野）
• 化石燃料回帰（脱原発・再エネ政策への批判）
• 伝統的家族観の重視（同性婚やジェンダー教育に否定的）
• 治安強化（犯罪者の国外追放など）

支持基盤と特徴

• 地域差：旧東ドイツ（ザクセン、テューリンゲン、ブランデンブルクなど）で特に強い支持
• 支持層：
  • 地方在住・中高年層
  • 既存政党への不信感が強い層
  • 経済的・社会的に不安定な労働者層
  • 難民・移民政策に否定的な層
• 支持率（2025年5月時点）：全国で約25%、東部では35〜38%

議論と批判

• 一部メンバーによるナチス政権擁護発言や歴史修正主義的言説
• 極右運動（PEGIDAなど）との親和性指摘
• 2025年5月、連邦憲法擁護庁（BfV）が「確定した極右勢力」と公式指定（後に一時停止）
• ヘイトスピーチやフェイクニュース拡散の批判

最近の選挙結果（2025年2月連邦議会選挙）

AfDは戦後初めて極右政党として第2党に躍進し、特に東部5州では最多得票を記録しました。

AfDが急成長している理由

 与党連立の失政と政治不信

• 2021〜2025年の「信号機連立」（SPD・FDP・緑の党）は、エネルギー政策・経済対策・移民管理で成果を出せず、内部対立も目立ちました。
• FDPの連立離脱や、SPD幹部のロシアとの近さがウクライナ戦争下で批判を浴び、歴代最低レベルの支持率に低迷。
• 「既存政党は国民の声を聞かない」という不信感が高まり、抗議票の受け皿としてAfDが浮上。

移民・治安不安の高まり

• 2015年の難民危機以降、移民受け入れは継続。近年は大量流入と一部犯罪・テロ事件が世論を硬化させました。
• AfDは「国境管理強化」「イスラム過激派排除」を前面に掲げ、治安と文化保護を訴えることで支持を拡大。

EU・グローバル化への反発

• EUの環境規制や移民政策が「ドイツの主権を制限している」との不満が増加。
• AfDは「EUの介入なしに独自政策を決定すべき」と主張し、主権回復と経済保護を訴える。
• 脱原発や再エネ推進への批判も、産業界や地方経済の不安と結びついた。

旧東ドイツでの圧倒的支持

• 統一後も続く賃金格差・雇用機会不足が「取り残された感覚」を生み、反エリート感情が強い。
• AfDは「ベルリンやブリュッセルのエリートに対抗する唯一の政党」として自己を位置づけ、地方議会で最大会派となる州も出現。
• 親ロシア的なエネルギー政策や対米批判は、一部有権者に「安定志向」として受け止められた。

メディア戦略とSNS活用

• 公共放送や大手紙を「Lügenpresse（嘘の報道）」と批判し、SNSやYouTubeで直接支持層に訴える戦術を展開。
• 若年層にも届く短尺動画や挑発的メッセージで、既存メディアを経由しない情報流通を確立。

国内の対立・敵対勢力

主要既成政党（CDU/CSU、SPD、緑の党、FDP、左派党など）

• • AfDを「極右」または「民主主義への脅威」と位置づけ、連立協議から排除する「防衛ライン（Brandmauer）」を維持しています。
  • 特に移民政策やEU政策で真っ向から対立。

州・連邦レベルの行政機関

• 憲法擁護庁（BfV）は2025年にAfDを「確定した極右勢力」と分類（裁判所の差し止めで一時停止中）。
• 一部州では党活動や集会に監視や制限がかかる場合があります。

メディア・言論界

• 公共放送（ARD、ZDF）や大手新聞（Süddeutsche Zeitung、Der Spiegelなど）
  • AfDの過激発言や極右的傾向を批判的に報道。
  • AfD側はこれを「Lügenpresse（嘘の報道）」と呼び、強く反発。
• ジャーナリスト団体・事実検証機関
• AfDの発言やSNS投稿のファクトチェックを行い、誤情報や差別的表現を指摘。

市民団体・社会運動

• 反差別・人権団体（Pro Asyl、Amadeu Antonio Stiftungなど）
  • 移民排斥やイスラム批判に反対し、デモやキャンペーンを展開。
• 反ファシズム運動（Antifaなど）
• 街頭での抗議やカウンターデモを行い、AfD集会を直接的に妨害することもあります。

国際的な対立相手

• EU機関・欧州議会の主流派会派
  • AfDのEU懐疑論や離脱志向を批判。
  • 人権・民主主義の観点から政策や発言を問題視。
• 国際人権団体（ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アムネスティなど）
• 難民・移民政策や少数派への扱いを巡って批判声明を発表。

敵対関係の特徴

AfDは、**「反エリート」「反既成政治」「反グローバル」**を旗印にしているため、

• 既存の政治・行政機構
• 主流メディア
• 国際的な人権・民主主義擁護勢力
  と構造的に衝突しやすい立場にあります。

海外主要メディアの報道傾向

著名人・SNSでの反応

• イーロン・マスク：経済学者シュテファン・ホンブルク氏の「統計的にほぼ不可能」という投稿をリポストし、AfD支持を示唆する発言も。
• 陰謀論コミュニティ（米・英語圏）：ワクチンや政府関与説と結びつける投稿が拡散。
• 欧州の中道・左派系アカウント：AfDの政治姿勢や過去の極右的発言を背景に、「過剰反応」や「政治利用」と批判。
• 国際ジャーナリスト層：死亡者の年齢層や健康状態、全候補者数との比較を提示し、「統計的異常性は限定的」とする分析も。

海外ネットの主な反応

陰謀論・疑惑拡散型（特に米・英語圏の右派／反グローバル層）

• 「統計的にほぼ不可能」というドイツ経済学者シュテファン・ホンブルク氏の発言が拡散され、イーロン・マスクがリポストしたことで一気に拡大。
• 「政府や諜報機関による暗殺」「選挙妨害」などのハッシュタグが急増。
• 米保守系メディア Slay News の「突然かつ予期せぬ死が7件」という見出しが引用され、ワクチンや世界経済フォーラム（WEF）と結びつける投稿も多い。

冷静な統計・分母指摘型（欧州在住者や多言語ブロガー）

• 「NRW全体で約3,600人立候補、そのうち死亡は10人前後。AfDは4人（＋予備候補2人）なので割合は高めだが、年齢層を考えれば完全に異常とは言えない」という分析。
• 「見出しだけで判断すると陰謀論に引き込まれる」と警告する投稿もあり、分母や年齢構成を踏まえた冷静な視点を促す。

政治的皮肉・揶揄型（反AfD層）

• 「極右政党に天罰」などの揶揄やミーム化。
• AfDの過去の極右的発言や歴史修正主義的傾向を引き合いに出し、同情しない立場を強調。

選挙制度・運営懸念型

• 「候補者死亡で郵便投票が無効になるのは有権者の権利侵害では？」
• 「投票用紙の再印刷や再投票はコストと混乱を招く」といった制度面の議論。

日本の反応

1. 「移民政策の厳格化は日本も見習うべき」
2. 「極右政党として危険」
3. 「ドイツの治安悪化を背景に支持が伸びている」
4. 「日本の参政党や維新と比較される」
5. 「反グローバリズムの姿勢は理解できる」
6. 「EU離脱論は現実的ではない」
7. 「公共放送受信料廃止は日本でも議論すべき」
8. 「イスラム教はドイツの文化ではない」
9. 「若年層の支持が高いのは日本と似ている」
10. 「メディアが一方的に悪者扱いしているのでは」
11. 「難民受け入れ反対は人道的に問題」
12. 「経済不満層の受け皿になっている」
13. 「ジェンダー研究不要論は時代遅れ」
14. 「家族政策や少子化対策は日本も参考にできる」
15. 「東西ドイツの格差が支持率に影響している」
16. 「気候変動政策の見直しは産業保護の観点で理解できる」
17. 「極端なナショナリズムは危険」
18. 「ドイツ語保護政策は日本語保護にも通じる」
19. 「反EU姿勢は国際協調に逆行する」
20. 「メルケル時代の難民政策への反発が根底にある」
21. 「AfDの政策は一部日本の保守層と重なる」
22. 「政権与党が弱いから伸びているだけ」
23. 「ドイツの政治的分断を象徴している」
24. 「公共事業の民営化反対は日本の水道民営化議論と似ている」
25. 「メディア不信が支持拡大の背景」
26. 「反移民感情は経済不安と結びついている」
27. 「AfDの伸びは一時的ではなく構造的」
28. 「国際的に孤立するリスクがある」
29. 「日本の右派政党よりも過激」
30. 「ドイツ国内の言論空間の偏りを映し出している」

この事件は、単なる候補者の死亡事案にとどまらず、ドイツ国内外の政治的分断や情報戦の縮図ともいえる状況を映し出しています。

選挙当日までの動きが、今後の議論や世論形成に大きな影響を与える可能性があります。