政策の背景と概要
トランプ大統領は2025年7月上旬、米国の貿易赤字削減と国内産業保護を掲げ、日本を含む主要貿易相手国からの輸入品に対し25%の追加関税を課すと発表しました。
対象は自動車・鉄鋼など既存関税枠外の日本製品すべてで、8月1日に発効予定。期間は原則3週間とされたが、延長や修正の可能性が残るようです。
既存の自動車25%、鉄鋼50%の関税とは別枠で扱われ、これまで無関税あるいは低率関税だった製品群に新たな負担を課す形となります。
主な政策ポイント比較
項目 | 現在の関税率 | 新たな追加関税 | 対象範囲 | 発効時期 |
自動車 | 2.5% | +25% | 日本製乗用車 | 8月1日予定 |
鉄鋼 | 25~50% | ― | 既存処置 | ー |
電子機器・日用品 | 通常2~5% | +25% | 日本製全輸入品 | 8月1日予定 |
こう見ると、結構な数字ですね。。。
特に自動車はかなりの痛手ですね。
日本国内への影響
・実質GDPの下押し
2025年度で約0.9~1.1%の成長率減少リスク。
・輸出産業の打撃
主要輸出品である自動車や精密機器の価格競争力低下により、輸出台数・額ともに減少懸念。
・為替・株式市場の動揺
発表直後に円が146円台へ急落。日経平均も海外動向に連動しやすい局面。
・消費物価の上昇
原材料・輸送コスト増が小売価格へ転嫁。
食品・日用品やエネルギー料金の値上がりで家計負担が増大。
・企業収益・投資の抑制
中小企業を中心に利益率が圧迫され、設備投資や雇用拡大が後退する可能性。
日本はモノづくり大国とも言われていますが、輸出が不利になるとかなりの痛手ですね。。
モノが売れにくくなりますからね。
企業の経営方針を大きく変更せざるを得ない等そういう話も出てくるかもしれません。
米国への影響
・実質GDPの押し下げ
関税競争の激化で約1.8ポイントの成長鈍化リスク。
・インフレ圧力の増加
消費者物価指数が0.2~0.3ポイント上振れし、家計の購買力が低下。
・企業コスト高騰
部品調達コストの上昇により製造業・小売業の利益率が圧迫され、
業績見通しの下方修正が懸念される。
・金融市場のリスクオフ
長期金利の低下や株価指数先物の下落など、市場では「関税不透明感」が警戒されている。
・世界貿易量の縮小
OECD試算では、米国主導の関税競争で世界貿易量が最大4%減少し、
グローバルな成長見通しにも悪影響。
関税によって、米国が単に得をするという訳ではなさそうですね。
企業コストの増加なども考えられますし、取引国も他の国との取引の拡大を視野に動く可能性もありますね。
メリット・デメリット
メリット
・貿易赤字削減への強いメッセージ性と支持基盤への訴求力。
・国内産業(自動車・製造業など)への短期的な保護効果。
・日米貿易交渉における交渉カードとしての活用可能性。
デメリット
・米国内での物価上昇による消費者の不満と反発。
・日米両国の経済成長を押し下げ、長期的な市場不透明感の増幅。
・グローバルサプライチェーンの混乱による企業コスト増大・投資抑制。
・同盟国への一方的圧力として、政治的摩擦と信頼低下リスク。
今後の展望
8月1日の発効を控え、米議会や日米間交渉で修正・延長の動きが焦点となりそうです。
企業は調達戦略や価格設定の見直しを急ぎ、消費者も物価変動への備えが必要だ。今後の協議状況や追加動向に引き続き注目していきましょう。
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