プロフィール
上田令子(うえだ・れいこ)。1965年5月21日、東京都台東区生まれ。白百合女子大学文学部国文科卒。江戸川区在住。東京都議会議員(江戸川区選出/4期)。地域政党「自由を守る会」代表。かつては江戸川区議を2期務め、子育て支援ネットワーク「江戸川ワークマム」を立ち上げたことでも知られます。
略歴(年表ダイジェスト)
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1999年:子育て支援ネットワーク「江戸川ワークマム」設立。待機児童解消や保育の現場課題を可視化し、講習会・シンポなどを継続開催。
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2007年・2011年:江戸川区議会議員(2期)。議会改革や利益相反のチェックなどに注力。
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2013年:東京都議会議員に初当選(以後、連続当選)。現在4期。委員会は「経済・港湾委員会」などに所属。
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2017年:都民ファーストの会に合流するも、同年10月に音喜多駿氏とともに離党を表明。以後は地域政党「自由を守る会」代表として活動。
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2021年:都議再選。
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2025年:都議選(江戸川区・定数5)で3万2,555票を得て4選(2位当選)。
公約・政策の骨子
「自由を守る会」の5本柱
上田氏が率いる「自由を守る会」は、①行財政改革(税の無駄を削る)②教育改革&子ども・子育て支援③過不足ない福祉④安全安心のまちづくり⑤議員・議会改革――を基本政策に掲げ、「いじめ・税のムダ・不正・癒着・天下り」を許さない姿勢を明確にしています。
子育て・教育
原点は自身の子育て経験とワークマムの運動。都の待機児童対策については、認証保育所の活用や民間力の導入など、制度横断での改善を早期から訴えてきたと自己評価しています(本人サイトでの総括)。
行政監視・ガバナンス
補助金・事業評価の厳格化、情報公開の徹底、二元代表制の回復(首長と議会の対等性)を強調。単独・少数会派でも調査と質疑で都政を動かすという立場です。
都市環境・景観
神宮外苑再開発の樹木伐採問題では、超党派の議員連盟の役員として“再開発の立ち止まり”を求める署名・声明に関与。SNSやブログでも一貫して疑義を発信してきました。
最近の活動トピックス(2024–2025)
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学齢期のいじめ・不登校問題:都議会本会議や委員会で取り上げ、いじめの重大事態対応や教員の不祥事防止など、人権・教育現場のガバナンス強化を質疑。
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水道基本料金「4か月無償化」への反対声明:猛暑・熱中症対策を名目にした都の施策に対し、「効果の因果が薄く、減収(約368億円)も大きい」として、選挙直前の“バラマキ”に当たると批判。声明を公表し、談話でも問題点を整理。
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一般質問の発信強化:2025年6月定例会の一般質問について、都議会中継やTOKYO MXの録画放送情報を周知。
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神宮外苑再開発の再検証要求:議連役員として小池知事宛ての要望・意見表明に継続関与。現地でも市民との連携を強めています。
「自由を守る会」とは
2014年設立の地域政党。東京都内を中心に、無所属・無党派の改革派地方議員で構成され、議員・議会改革、行財政改革、教育・子育て支援などの“現場起点の政策”を掲げるネットワーク的な政党です。公式サイトでは、結党宣言や年頭所感、定例会後の談話なども公開し、意思決定の透明化を図っています。
小池都政への主な指摘・追及テーマ
「答弁回避/説明責任」の姿勢
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本会議・委員会での一般質問で、知事が要点を答えない(と受け取れる)場面が続くとして「答弁拒否」姿勢を繰り返し問題提起。本人の一般質問のフル動画や中継告知でも強調しています。実際の一般質問ページ(令和6年第4回定例会)でも、複数の政策テーマで知事答弁をただす構成になっています。
学歴(カイロ大)を巡る資料開示と第三者検証の要求
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知事の“カイロ大学卒業”の真偽に関し、議会質問(2018年会議録)で資料提示と説明を求めて以降、再燃するたびに「一次資料の全面公開」「独立した第三者検証」を要求する立場を継続。本人のサイト/SNS/インタビューでも同旨の発信があります(※事実認定ではなく“検証を求める”という立場)。
「水道基本料金4か月無償化」は“熱中症対策”の根拠が薄い
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2025年夏に向けた「水道基本料金4か月分の無償化」について、「エアコン使用促進=熱中症予防」という因果が説明されていない、都の減収が大きい等を理由に“バラマキ的”と批判し、見直しを要請(会派声明/解説コラム)。
神宮外苑再開発:樹木伐採・文化景観の毀損、手続きの妥当性
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超党派の「神宮外苑再開発をとめ、自然と歴史・文化を守る都議会議員連盟」の共同代表(または副会長)として、小池都政の対応に対し“立ち止まり(再検証)”を求め続ける。文科省の財産処分認可(秩父宮ラグビー場)に対する抗議・要請行動にも関与。都市環境・景観・手続き透明性を都政のガバナンス課題として指摘。
都民ファーストの会(知事が特別顧問)を巡る「パー券・寄付の構図」疑義
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知事と関係の深い都民ファーストの会の政治資金の流れについて、パーティー券・寄付のやり取りが“実質的キックバックではないか”と独自調査資料を公開し、都政との距離感・政治倫理を質す(※疑義の提示であり、司法認定等は別)。議会質問動画・ブログ・SNSで継続発信。
大型イベント・演出事業等の“見栄え重視”と費用対効果
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プロジェクションマッピングや“東京大噴水”など、話題性の高い演出事業に対し、「政策目的に対してコストが妥当か」「財源の優先順位が正しいか」を追及。予算案段階からブログ・声明で具体額や制度設計を俎上に載せる姿勢。
エネルギー方針・環境政策の“唐突さ”と実務性
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COP関連の海外出張時に知事が言及した“伊豆諸島での浮体式洋上風力”について、技術の実証段階や景観・環境影響、プロセスの唐突さを問題視し、説明・検討の積み上げを要求。議会会議録にも質疑の痕跡。
教育・いじめ・教員不祥事対応など、生活現場のガバナンス
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教育現場の事故・いじめ重大事態などで、責任体制や賠償・求償の考え方、再発防止策を具体的に迫る。これは小池都政の所管部局の運用・監督に対する継続的な検証で、都の説明責任をただす文脈の一つ。
議会内での位置取り
会派は「自由を守る会」。少数会派ながら、委員会・本会議での質疑、ブログ・SNS・記者対応を通じて、行政監視機能の可視化を重視。都議会の公式名簿では、期数4期・経済港湾委員会所属とされています。
関連トピック
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無免許事故の都議への辞職勧告決議を主導(2021年):木下富美子元都議問題で、議会の信頼回復を掲げ辞職勧告決議提出に動いた一人。
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地域政党サミットへの関与:全国の地域政党間連携にも関わり、地方からの制度改革を模索。
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地域密着の活動:地元行事・育児支援・障害当事者との対話など、現場発の活動をSNSで積極発信。
ネットの反応
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行政監視にこだわる姿勢は評価できる
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神宮外苑の件はもっと議論が必要だと思う
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少数会派でも情報公開を迫るのは筋がいい
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ワークマムの草の根感が好印象
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学歴問題の追及はやりすぎでは?
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証拠の公開要求は当たり前、むしろ健全
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「バラマキ」批判はデータで示していて共感
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子育て施策は現場を踏んでいて信頼できる
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表現がストレートすぎて好みが分かれる
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反対だけでなく対案をもっと見たい
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都民ファ離党は英断だった
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逆に離党で信頼を失った面もある
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ブログの一次資料リンクが助かる
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Xの発信は熱く、賛否が集まりやすい
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委員会での詰め方が職人的
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江戸川の課題を都全体に翻訳するのが上手
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教育分野の質疑が具体的
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住民の通報を活かす姿勢が良い
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都政は“説明責任”が一番大事と再確認
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神宮外苑は文化と景観の両立策が必要
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予算の「選挙前の見栄え」指摘は刺さった
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保育の民間活用は賛否両論
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都の広報よりも議員SNSのほうが情報早い
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知事与党・反対野党の外側から刺す希少性
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些末な炎上に反応しすぎる時がある
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地域政党という形は時代に合っている
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追及調査は第三者検証とセットで
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いじめ対応は制度設計の見直しが要る
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「水道基本料」より電気代支援じゃ?
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近接自治体との連携視点がもう少し欲しい
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反対だけに見えないよう成果の見える化を
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対話集会の頻度・記録公開は高評価
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小池都政の“見せ方”偏重をうまく突く
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言葉選びが時に強すぎる
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都庁・所管局の答弁を読み解く力がある
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“東京の緑”の定義づけ議論は有意義
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実務派と運動派の間でバランスを取っている
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与野党を越えた連携の事例がもっと知りたい
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地域の困りごとを都政課題へ昇華する回路がある
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ブログの長文要約版が欲しい
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長期的な都市像(30年先)も語ってほしい
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学校現場の人員配置を数字で見せてほしい
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反主流の意見を拾う役割は貴重
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対立より合意形成の技術を見たい
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リスクコミュニケーションが上手い
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予算・決算の“通しでの物語化”が必要
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会派拡大よりも連携アライアンスを
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市民科学・市民監査の芽を育ててほしい
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江戸川発→都全域のモデル化は価値がある
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少数でも粘り強くチェックする象徴的存在
まとめ:少数会派から都政の“透明度”を押し上げる
上田令子の強みは、**現場起点の課題抽出(保育・教育・福祉)と、予算・制度・都市計画に対する粘り強い検証を、少数会派でも途切れなく続けている点にあります。神宮外苑や水道基本料無償化のような“政策と効果の結びつき”が曖昧な案件では、説明責任とデータ根拠を求める姿勢を徹底。学歴問題を含む小池都政への指摘は賛否を呼ぶものの、「疑義が生じたら証拠を求め、第三者検証を促す」**という行政ガバナンスの原則を、都議会の外にも伝播させているのは確かです。
これからの見どころは、(1)神宮外苑・日比谷など都市再整備の“効果・景観・歴史性”の再設計(2)いじめ・不登校・教員人材政策の再構築(3)インフラ・公共料金の費用対効果論争における“代替案可視化”です。上田氏の強みである一次資料と現場の声を武器に、議会内外の連携をどこまで広げられるかが問われます。
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