右派の人物・イベントが狙われる事件が続く中、左翼(広義)には ①“軽い暴力”をジョーク化する風土、②事件直後に被害者より政策争点を優先する態度、③誤情報を“選んで信じる”習性 が残っています。
これらは暴力の敷居を下げる連続体であり、民主主義の儀式(街頭演説・集会)を最も危険にしています。
右派は法と秩序・非暴力・警備運用の徹底を一貫して主張すべきです。
近年の主要インシデント
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2025/9/10・米ユタ州:保守系活動家のチャーリー・カーク氏が大学イベント中に銃撃死。22歳のタイラー・ロビンソンが「加重殺人」の疑いで身柄拘束。識別の決め手は家族からの通報。動機は捜査中だが、事件直後に誤情報が大量拡散(誤った容疑者名・虚偽動画・“祈りを拒んだ”という誤解など)。
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2024/7/13・米ペンシルベニア州:トランプ氏が演説中に狙撃負傷。聴衆1名死亡。上院報告はシークレットサービスの致命的な運用不備を認定。
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2024/5/31・独マンハイム:反イスラム系集会で刺傷、対応中の警察官が2日後に死亡。動機はイスラム過激主義が軸。
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2024・英総選挙期:ナイジェル・ファラージ氏に“ミルクシェイク”投擲。有罪・執行猶予。裁判所は議会制民主主義への攻撃と明言。
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2023/11/9・西マドリード:ビダル=クアドラス氏が銃撃重傷。スペイン高裁はイラン反体制支援への報復の線で8人を起訴。
日付 | 国・都市 | 標的(所属) | 概要 | 被害・容体 | 捜査・法的手続き |
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2025-09-10 | 米国・ユタ州オレム | チャーリー・カーク(TPUSA共同創設者) | 大学イベント中に銃撃され死亡。動機は捜査中。事件直後から誤情報も拡散。 | 本人死亡 | 容疑者が拘束・訴追。FBI・地元当局が捜査継続。 |
2024-09-15 | 米国・フロリダ州WPB | ドナルド・トランプ(当時候補) | ゴルフクラブで暗殺未遂、容疑者は発砲・逃走後に逮捕。 | 負傷者なし(トランプ無事) | 2025年に連邦裁判で審理開始。 |
2024-07-13 | 米国・ペンシルベニア州バトラー | ドナルド・トランプ | 演説中に狙撃され右耳を負傷、聴衆1名死亡。SSの警備不備が後に厳しく追及。 | トランプ軽傷、観客1名死亡・2名重傷 | SS長官辞任、議会・上院報告などで検証。 |
2024-06-05 | 独・マンハイム | ハインリヒ・コッホ(AfD候補) | 選挙活動中に刺傷。 | 本人重傷 | 容疑者拘束(精神鑑定含む報道)。 |
2024-05-31 | 独・マンハイム | 反イスラム活動家ミヒャエル・シュテュルツェンベルガー(右派系BPE集会) | 集会で男がナイフで襲撃。警察官1名は後に死亡。 | 警官死亡、複数負傷 | イスラム過激化の動機が焦点。容疑者起訴。 |
2024-06-04 | 英・クラクトン等 | ナイジェル・ファラージ(Reform UK) | 選挙キャンペーンで飲料投擲(「ミルクシェイク」)。 | 軽度(物理的被害軽微) | 加害者は後に有罪・執行猶予判決。 |
2023-11-20 | オランダ・フローニンゲン | ティエリー・ボーデ(FvD党首) | 選挙直前の集会でビンで殴打。数週間前にはベルギーでも被害。 | 本人負傷 | 加害未成年の有罪判決(2024/12)。 |
2022-07-08 | 日本・奈良 | 安倍晋三(自民党元首相) | 選挙応援演説中に銃撃され死亡。 | 本人死亡 | 容疑者起訴・審理進行(自作銃・特異動機)。 |
2024-05-18/19 | インド・ジャンムー・カシミール(ショピアン) | Aijaz Ahmad Sheikh(BJP系・元サルパンチ) | 自宅付近で武装勢力に射殺。 | 本人死亡 | その後の掃討で関与容疑者が戦闘で死亡と報道。 |
2023-11-09 | スペイン・マドリード | アレホ・ビダル=クアドラス(VOX共同創設者) | 路上で銃撃(顔面貫通も生存)。対イラン姿勢への報復疑惑。 | 本人重傷 | 2025/7に“対イラン反体制支援への報復”関与を裁判所が示唆。 |
2025-08-27 | アルゼンチン・ブエノスアイレス | ハビエル・ミレイ(大統領) | 広場移動中の車列に投石・破損。 | 負傷報告なし | 捜査・警備強化(選挙・デモ緊張下)。 |
右翼の立場からの原則
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非暴力の絶対厳守
政治的立場に関わらず、暴力は一線を越える行為です。右派は従来どおり**“言論には言論で”の原則に立ち、街頭や大学という公共圏の安全を最優先に据えます。トランプ狙撃後の保護体系の総点検**(屋上・高所・視線・退避動線)こそ、右派が重視してきた運用の実務です。 -
法と秩序(Law & Order)
個別事件の厳罰と迅速な訴追、再発防止の警備プロトコル整備、そして事件直後の情報衛生(当局の一次発表に基づく共有)を徹底します。カーク事件の“誤情報洪水”が示す通り、感情より事実です。 -
公共圏の自由を守る
路上・キャンパス・市場広場は民主主義の心臓部です。ここでの発言者(多くが右派)の身体を守ることは、表現の自由そのものを守ることです。マンハイムの事案は、その現実を突きつけました。
左翼カルチャーへの批判
“軽い暴力”のジョーク化
卵投げ・パイ投げ・“ミルクシェイク”。接近暴力を笑いにする空気は、人格攻撃 → 投擲 → 至近距離の傷害 → 致死攻撃へと敷居を下げる連続体です。司法は民主主義への攻撃と明確に位置づけました。「遊び」だから許される、は通りません。
事件直後に“政策へ回収”して共感が薄れる
悲劇の直後から銃規制などの政策争点に即時回収する言論は、被害者と遺族への共感を置き去りにします。まず暴力の全面否定と哀悼の表明、次に運用改善(高所封鎖・射線管理・退避導線)、その後に政策議論——この段階化が必要です。
誤情報の“選別的懐疑”
カーク事件では偽動画・誤った容疑者名が一気に拡散しました。自陣に都合のいい話だけを選んで拡散する態度は、怒りの動員と相互不信を増幅します。一次情報で足場を作るのが最低限です。
追悼の“踏み絵化”を笑う/冷笑する
議会の祈り・黙祷さえ揉め事にする振る舞いへの冷笑は、公共圏の規範を壊します。右派の追悼を**“からかいの対象”**にする姿勢は、分断の固定化以外の成果を生みません。
ケースで見る「空間と運用」の欠陥
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屋外×高所の死角:トランプ狙撃は屋上管理と視線・射線の基本が問われ、上院・GAO系の検証が相次ぎました。“上と外”の封鎖はイベント実務の第一歩です。
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開放キャンパスの脆弱性:カーク氏は大学屋外イベントの最中に一発で倒れました。家族の通報で容疑者特定に至ったことは、社会の自浄機能がなお働いている証左でもあります。
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宗教過激・国際報復の交錯:マンハイム(過激主義)やマドリード(対イラン反体制支援への報復)は、動機が左/右の単純軸を超えることを示します。だからこそ運用の徹底が最重要です。
直ちに実行すべき対処
イベント側
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高所・屋上・見通しの事前封鎖、退避導線の二重化、長物搬入の監視を標準化します。
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シャウトダウン・接近暴力の兆候(不審滞留・装備・反復移動)を記したチェックリストを配布し、即応の役割分担を決めます。
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事件発生時は一次情報(警察・主催発表)以外の断定を停止し、誤情報拡散を防ぎます。
大学・自治体・プラットフォーム
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言論妨害・暴力・扇動投稿に対する明確なガイドラインとペナルティを公開します。
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講演会の中止圧力(脅迫・破壊予告)には厳格な法的対応を取ります。
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誤情報や晒し行為に対し、迅速な削除・凍結・記録保全を実施します。
法執行
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集会妨害・威力業務妨害・器物損壊・暴行・脅迫には即時検挙・送致を徹底します。
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デモ許可の条件(器物・火気・覆面・距離)を厳格運用し、違反は次回許可に反映します。
しめくくり——右派は“退屈な実務”で公共圏を守る
右派が掲げてきた法と秩序・非暴力・運用の徹底は、いまこそ正面から評価されるべきです。
小さな暴力を笑う左翼カルチャー、即時に政策へ回収して共感を遅らせる言説、誤情報の放流——これらは民主主義を削ります。
まずは現場の安全を作法にする。 それが自由な言論を守り、暴力の連鎖を断つ最短ルートです。
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