2025年7月19日、高校野球大阪大会3回戦・浪速高校 vs 明星高校の一戦がくら寿司スタジアム堺で行われました。この試合は雨天中断による継続試合となり7回表から再開されましたが、大阪大会では前日にも天王寺高校が劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めており、それに続くように浪速高校も9回裏2死から奇跡の大逆転劇を演じました。最終スコアは浪速7-5明星で、浪速高校が土壇場で2点差を覆して勝利を掴みました。
試合スコア: 以下は両校のイニングごとの得点です:
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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明星 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
浪速 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 4 | 7 |
序盤(1~2回):両校とも慎重な立ち上がり
初回から両チームのエースが持ち味を発揮し、緊迫した立ち上がりとなりました。浪速の先発・久貝昇大投手と明星の先発・向原彰吾投手はいずれも走者を背負いながらも要所を締め、1回・2回はいずれも無得点。両校とも慎重な立ち上がりで、序盤は投手戦の様相を呈しました。
3回:明星が先制点を挙げる
試合が動いたのは3回でした。明星高校は一死から長打で走者を出すと、続く打者の名取竜也選手(3年)が外角低めの球を捉えてレフト前へ運び、先制のタイムリーを放ちます。これで明星が1点を先取し、均衡を破ることに成功しました。
4回:名取の一発でリード拡大
勢いに乗った明星打線は、続く4回にも猛攻を仕掛けます。先頭打者の名取選手が満を持して外角高めの直球を強振すると、打球はライトスタンドに飛び込む2点本塁打となりました。さらに四球や犠牲フライ、適時打が絡み、この回だけで計4点を奪取。明星高校はスコアを5-0とし、大きなリードを築きます。
5回:浪速が反撃開始
5回、ようやく浪速高校が反撃に転じました。下位打線の出塁をきっかけにチャンスを作ると、上位打線がつながります。
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1番・小林選手が中前安打で出塁(無死一塁)。
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2番・田中選手が右前安打を放ち、一・二塁と好機拡大。
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3番・山田選手のレフトへの犠牲フライでまず1点を返す(5-1)。
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続く吉見涼太選手(3年・中堅手)が左中間を破るタイムリー二塁打を放ち、さらに1点追加(5-2)。
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そして主将の関口勝正捕手(3年)が内野安打をもぎ取り、この回3点目(5-3)。一気に2点差まで詰め寄りました。
浪速高校はこの回、下位から上位への理想的な攻撃で3点を奪い、試合の流れを引き寄せます。
6~8回:投手戦の膠着状態
中盤以降、試合は再び膠着状態に入りました。6回から8回にかけて両チームとも走者を出しながらもあと一本が出ず、スコアは動きません。明星のキャッチャー大西淳登(3年)は2度の盗塁阻止で相手の機動力を封じ、巧みなリードで投手陣を盛り立てます。一方、浪速のセンター・吉見選手も外野守備で好捕を見せ、明星の追加点を許しません。両校の堅実な守りと投手の踏ん張りにより、試合は5-3のまま終盤へともつれ込みました。
9回:土壇場での大逆転劇
最終回、ついにドラマが待っていました。2点ビハインドの浪速高校は9回裏、2死から怒涛の5連打で試合をひっくり返します。
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小林選手がまず左前ヒットで出塁し、望みをつなぎました(2死一塁)。
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田中選手の中前適時打で1点を返し、5-4と追い上げます。
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山田選手も執念の右前ヒットを放ち、ついに同点の5-5に追いつきました。
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勢いそのままに、吉見涼太選手が左中間への勝ち越しタイムリーを放ち、6-5と逆転に成功。
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そして最後はキャプテンの関口勝正捕手が緩い変化球を捉え、右中間を深々と破るサヨナラ二塁打! 二者生還し、劇的な逆転サヨナラ勝ちが決まりました。
関口選手の放った打球が外野の間を転がる間、スタンドの応援席は総立ちとなり、逆転が決まると大歓声に包まれました。逆転打を放った関口捕手は試合後、「この夏は絶対に自分が逆転の場面で決めるっていう気持ちで練習してきた」と胸を張り、土壇場でも全員が最後まで諦めず持ち味の打撃を貫いたことを勝因に挙げています。
主な活躍選手
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浪速・羽子田直人(投手) – 3年エース。先発で7回2失点と好投し、要所では5奪三振で踏ん張って流れを渡しません。
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浪速・関口勝正(捕手) – 3年主将。9回裏に中越えの逆転サヨナラ二塁打を放つ勝負強さを発揮excite.co.jp。攻守でチームを牽引しました。
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浪速・吉見涼太(外野手) – 3年中堅手。5回に反撃の口火となる適時二塁打、9回にも勝ち越し打を記録し、守備でも好守を見せる活躍。
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明星・向原彰吾(投手) – 3年エース。6回を4失点に抑え、序盤~中盤にかけて試合を作る安定した投球を見せました。
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明星・名取竜也(外野手) – 3年。長打力ある5番打者。この試合では4回にライトスタンドへの2点本塁打を放ち、チームのリード拡大に大きく貢献。
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明星・大西淳登(捕手) – 3年。強肩強守の要。浪速の俊足陣相手に2度の盗塁阻止を記録し、巧みなリードで投手陣を支えました。
浪速高校ナインが劇的な逆転勝利を収めた後、スタンドの応援席と共に校歌を熱唱して勝利の喜びを分かち合う。
試合後と今後の展望
劇的勝利を収めた浪速高校ナインは、スタンドの応援団と校歌を歌いながら歓喜に浸りました。逆転サヨナラの立役者となった関口主将は、「最後まで諦めずに戦えば奇跡を起こせる」とチームメイトに伝えていたといい、その言葉を体現するかのような勝利となりました。この勝利で勢いに乗った浪速高校は、続く準々決勝でも注目の強豪との対戦が予定されており、更なる快進撃が期待されています。夏の大阪大会を勝ち抜くだけでなく、秋の地区大会に向けても大きな自信となる一戦となりました。
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