2025年6月26日に日本経済新聞から衝撃のニュースが報道されました。
米国で蔓延している合成薬物フェンタニルが、日本の名古屋から密輸されていた疑いがあると。。。
衝撃的ですね。。
今回は事の発端から、最新情報、今後の影響等をまとめていきます。
問題の発端
2025年6月26日に日本経済新聞が報じたスクープ記事にあります。記事によると、中国の犯罪組織が名古屋に「Firsky International Trade」という法人を設立し、アメリカ向けにフェンタニルやその前駆体を不正に輸出していた疑いがあるとされました。
この組織は実質的には中国・武漢の化学企業「アーマーベル・バイオテック」と一体の組織とされており、アーマーベルの幹部らは2025年1月、米ニューヨーク連邦裁判所でフェンタニル原料の不法搬入に関して有罪評決を受けていました。
そして現在、FIRSKYは裁判が進行中だった2024年7月に突然清算され、存在していないそうです。
日本法人の代表とされる中国国籍の人物は現在も行方不明で、米当局が追跡中とのことです。
そもそもフェンタニルって?
フェンタニルは、非常に強力な合成オピオイド系鎮痛薬で、医療現場ではがん性疼痛や手術後の激しい痛みの緩和に使われています。その鎮痛効果はモルヒネの約100倍、ヘロインの約50倍とも言われています。
医療用としては極めて有用ですが、乱用や不正流通によって深刻な社会問題にもなっています。特にアメリカでは、フェンタニルが関与する薬物過剰摂取による死亡が急増しており、国家的危機とまで言われるほど深刻化しています
米国の2025年時点の被害状況をまとめると
死者数 | 2023年7月までの1年間で約11万2千人が薬物過剰摂取で死亡 |
1日の死者数 | 平均1日約300人が薬物過剰摂取で死亡していると推定される |
社会的影響 | 都市部では「ゾンビ・タウン」と呼ばれ中毒者が集まる地域が拡大 |
致死量 | 致死量はわずか2㎎ |
えげつない薬ですね。。。
まさに「現代のアヘン戦争」と言われるだけありますね。
米国の反応(2025年6月時点)
ジョージ・グラス駐日米国大使が今回、日経新聞の記事が出たタイミングでXでこのように発言。
「フェンタニルやメタンフェタミンといった合成薬物は、日米両国において多くの命を奪っています。そして、中国共産党はこの危機を意図的にあおっています。中国からのフェンタニルやその前駆体化学物質の密輸には中国共産党が関与しており、それを阻止するには国際的な取り組みが不可欠です。われわれはパートナーである日本と協力することで、こうした化学物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の地域社会と家族を守ることができます。」
何とも言えないところではありますが、米国大使ということもあり、我々では把握できてない情報は持っているかもしれませんね。
日本政府関係者の反応(2025年6月時点)
政府関係者の発言をまとめます。
氏名 | 役職 | 発言・対応の要旨 |
岩屋毅 | 外務大臣 | 6月27日の記者会見で「許可を得ない輸出入は絶対に許さない」と明言。日本が国際的な違法薬物ネットワークに加担することは断じてないと強調。 |
財務省関係者 | 参院財政金融委員会 | 「令和元年から5年間でフェンタニルの密輸摘発実績はない」と答弁。ただし、混入や偽装の可能性には警戒が必要との認識も示された。 |
厚生労働省関係者 | ― | 医療用フェンタニルの管理体制は厳格であり、不正流通の兆候は現時点で確認されていないと説明。ただし、国際的な動向を踏まえた監視強化を検討中とのこと。 |
現時点では、外務省が最も明確な姿勢を示しており、他省庁は慎重な対応を取っている印象ですね。今後、財務省(税関)や厚労省(薬物規制)、警察庁などの動きが本格化する可能性があります。
石破内閣総理大臣も今のところ、コメントは差し控えているようです。
日本の著名人反応(2025年6月時点)
氏名 | 所属・立場 | 投稿・発言の要旨 |
玉木雄一郎 | 国民民主党代表 | 「米中“新アヘン戦争”の結節点に日本が位置しているという日経の驚くべきスクープ。日本が抜け穴になってはならない」と投稿し、徹底調査を政府に要求。 |
原口一博 | 立憲民主党 | 「フェンタニル課税がありうる」と危機感を示し、国を挙げた調査の必要性を訴える動画を配信。 |
長尾敬 | 自民党・元衆院議員 | 「日米関係にとって極めて深刻。中国関連の荷物は流通停止も検討すべき」と発言。 |
神谷宗幣 | 参政党代表 | 昨年から国会でフェンタニル問題を取り上げており、「中国が戦略的に薬物を流通させている可能性がある」と警鐘。 |
神谷宗幣氏は去年から国会でこの問題を取り上げていたことには驚きですね。
今後の国際関係の影響について(2025年6月時点)
今後の日本の国際関係や制度的問題についてですが、下記の点で影響があると考えられます。
・日米関係の信頼性の揺らぎ
→米国では「日本が密輸の抜け穴になっている」との懸念が広がり、関税強化の口実にされる可能性も。
・日中関係の規制の実効性への疑念
→中国はフェンタニル原料の規制強化を発表したが、米国や日本では「形だけの対応」との見方が強く、不信感が根強い。
・制度的信頼性
→中国系企業が日本で法人を設立し、仮想通貨を使って密輸を指示していたとされ、日本の法人設立制度や金融監視体制の甘さが問題視されている。
・関税リスク
→トランプ前大統領はすでに中国製品に20%の関税を課しており、日本経由の密輸が続けば日本製品への関税拡大も懸念される。
・国内の流通リスク
→日本が最終消費地になるのではとの懸念もあり、フェンタニルの国内流入や“ゾンビ麻薬”化への警戒が高まっている。
まとめ
今回は米国で蔓延している薬物問題が日本も関与しているニュースをまとめました。
いかがでしたでしょか?
日本国内では薬物について大きく取り上げられる機会が少ないかとは思いますが、米国で大きな問題になっている、フェンタニルが日本がこのような関りが出てくるということは驚きですね。
個人的には日本ではあまり関係が無い問題だと思っていましたが、こうなってくると話が変わってきますね。
まだ調査中で、今回の情報の確証が無い状態かとは思いますが、これが事実であれば海外の犯罪組織が簡単に日本国内に入ってきて、簡単に法人を設立出来たりと日本の制度に大きな問題がありそうですね。
今後の動向にもチェックしていきたいと思います。
日経新聞_米国へのフェンタニル密輸、日本経由か 中国組織が名古屋に拠点

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